げんしけん⑨ - 木尾士目

げんしけん (9) 限定版

げんしけん (9) 限定版

我らがげんしけんもとうとう最終巻!!!何か感慨深いものがありますね!!…いや、別にない。来年からサークルの名前どうしよう。「げんしけんって何ですか?原子力研究所の略ですか?」って思われかねない。新世紀の新入生を釣るための名前なのに次第にそれが旧世紀の象徴になっていくかもしれないなんて恐ろしい。
げんしけんは、まぁ斑目荻上が中心のお話でしたよね。前半覚えてないけど。髪下ろした荻ちんはマジ可愛い。キスの時目開けてる荻ちんにはマジでソソられた。そういえば、笹原が動物園デート中に「ツンデレ娘とのデートイベントってこんな感じかな…」とか「好感度」とか「デレだデレ(はぁと)」とか抜かしてますが。余裕だな笹原コノヤロウ。こんなこと普通は考えられない。何ていうか、デレがあると分かってる漫画とかエロゲ特有の思考だと思った。あと笹原くんはまだ編集になってもないのにぽんぽんとアドバイス出来てすごいと思った。
斑目は読者の投影の対象ですね。独白とか多いし。そういう意味で客観的に見て一番いそうなのはクガピーみたいな人。理解不能の範疇にいながら意外といるのはくっちーみたいな人。斑目に関しては、ここに咲ちゃんに対して二次元フィルターがかかってるか否かという話があるけど、この二次元フィルターっていう単語はどうなんだと思った。人を記号で捕えるという行為は部分的にしろ無意識的に行っていると思うし(親しい人が相手でも)、「気が強い→ツンデレ→だから好き」って二次元的要素のみで物事を考える人なんてまずいないだろうから、敢えて言葉にしちゃう必要もないと思うんだけどな。ここら辺のことはもうちょっと考える余地がある。
あとスーが「何考えてるか分からないのがウリのキャラ」って言われてたけど、実際にそんな人がいたとして満足に人付きあいが出来るんだろうか。周りが余程親切じゃないと孤立するだけじゃないだろうか。それともこういったキャラ作りってオタクの世界には多いんでしょうか?僕はオタクじゃないから分かりません>< まぁ、キャラとかそういったものに関して自分が否定的だということもあるんでしょうが。
で、このスーなんですが、俺から見るとかなり特殊で、オタクというよりは一般人の側にいます。要するに自分とは違うと認識している、あまり近付けない存在。オタクであることを恥じていない。敢えて言うなら新世紀型のオタクです。統計とか取ったわけではないのではっきりとは言えませんが、こういう人は自分たちの下の代から明らかに多い気がします。俺が所属している別のサークルにも一個下にオタクがいて、たまにオタ話で盛り上がったりするんですが、彼らは自分の趣味として恥じることなく開けっぴろげにオタクを公言しています。あだ名がぱにぽにの奴すらいます。俺なんて今年彼らと話した時に初めてカミングアウトしましたよ。超チキン。出来れば広まって欲しくないし。もう遅いけど。
で、ここで限定版同人誌の篠房六郎の話になります。これは最高。旧世紀型の篠房六郎と新世紀型のオタクの対比がそのまんま描かれてる。ほんとは全うpしたいとこなんですが無理なので読んで下さい。で、やっぱりこういった事態の一端はげんしけんが担っていて、げんしけんの実際はほんの一部しかないリアルな部分に、憧れも手伝って過剰に共感してしまい、結果リアルでない部分まで全てリアルに感じてしまう、という現象が起こっている気がします。そしてそれが現実を侵食していき(オタクくさい表現ですね)、そういう人達が集まった結果そういうコミュニティが出来てしまうのでは、と。恐ろしい!
けどまぁ、どんな新入生が来るかは楽しみです。色々な意味で。まだ気が早いか。
 
 

↑某人の声で。