トト神のスタンドについて思うこと

ジョジョの奇妙な冒険第3部に、トト神という名前のスタンドが登場する(JC20〜21巻、23〜24巻)。このスタンド(超能力)は、未来に起こる出来事を漫画の形式で予言することができるというものなのだが、

女の人に延髄切り→すると女の人は大喜び、お礼をくれる

というように、恐ろしく脈絡のないことが描かれている。これは実際には

延髄→実はその女性の首にサソリがついていた→助けてくれたと思い、お礼をくれる

という風に現実に起こる。予言は正しかったわけである。しかし考えてみればただ人騒がせなだけのスタンドだ。真ん中の手順をちゃんと説明するコマを描けば無駄な緊張をしなくて済むのに。この漫画は起承転結の起と結しか描かない、不完全な漫画なのである。
しかし、漫画におけるコマとコマの間に、作者以外誰も(あるいは作者すらも)知ることができない時間が存在するのは、どの様な手法をとっている漫画でも、アニメーションであっても同じことだ。大なり小なり読者はその時間を想像力で補っている。もちろん、書き手は一般的な想像力で補える程度にコマ間の時間を抑えなければいけない。だがもし、上の例で言えば女性にサソリがついていることを瞬時に想像できるほどの想像力を持っていれば、トト神の漫画もいたって普通の漫画なのではないだろうか?
(規則正しい生活をすると逆に何もできないような気がするコクダイ)