わたしは真悟 (Volume5) (小学館文庫)

わたしは真悟 (Volume5) (小学館文庫)

楳図といえばホラー。怖い。そういうイメージが定着している人も少なくないと思います。彼の画力と独特の間、残酷な描写、悲鳴からもたらされる恐怖に誰もが一度は震えたはず。しかし、「楳図?怖いから嫌!」と言うような人にこの作品を読んで「楳図最高だよ楳図!ホラーだけじゃないよ!」と認識を改めてほしい。


ストーリーは産業用ロボットがさとるとまりんによって知識を与えられ、やがて感情を持って彼らを父・母と呼び、離れ離れになってしまった2人に会いに行くというもの。あーまた「ロボットは感情を持つか?」ってテーマかよ、と思ってしまうでしょうか。いやいや、そんなものではありません。
アイ。それを伝える為だけに命尽きるまで奔走し続けたロボット、いや子ども。どんな苦境に立たされても諦めずに自らを動かす原動力になったその感情こそが、まさしく神なのかもしれない。そう思わされる。感情を持つか?という枠を超え、その感情に神を思わせる程の壮大なドラマが繰り広げられ、何も考えずにぐいぐいと引き込まれていく事間違いなしです。
神かも、なんて大げさな表現が素直に出てくる。そこまで見せる楳図の力量はさすが巨匠。多少のご都合主義な部分も気にならない程、1人の子どもの見せた奇跡は私の胸に深く刻まれました。単純に言って、すごい感動したのです。超泣いた。こんなにもロボットをいじらしいと思うなんて、後にも先にもないでしょう。

もう一つ記述したいのは、この話、ロリコンが出てくるんですが、このロリコン、こええええええええええええええ!!!!!!!!そんな認識も深く、刻まれました…。おぉマジできもい。