ハチワンダイバー 1 (ヤングジャンプコミックス)

ハチワンダイバー 1 (ヤングジャンプコミックス)

( ゚∀゚)o彡゜ヨクサル!!ヨクサル!!
 
エアマスター柴田ヨクサルは迫力ある戦闘シーンと個性豊かなキャラ、そしてそれぞれの生き様を見せてくれた。このハチワンダイバーも戦いの中で様々な物を表現する漫画である。ただし、肉体による戦闘は一切なく、全てが9×9の盤上で行われる。この漫画は将棋漫画だ。
「マズイ流れだ」「将棋だけがプライドだ、僕の背骨が折れる」ヨクサル独特の台詞回しは1話目から光っている。敵も一筋縄ではいかない連中ばかり。それに対する主人公は一見弱そうな男だが、深呼吸を繰り返して自身をニュートラルに戻す様はどこが異様で、そこがまた面白い。そして、もう一人のキーパーソンである“アキバの受け師”は唐突にメイドだ。だがこの「メイド」、良く考えればそれ自体は別に珍しいものではなく、秋葉原に降りればすぐ目にすることが出来る。これを唐突に感じるのは、これまでのメイドが出てくる漫画の範疇にこのハチワンダイバーがないからだ(あと絵柄)。そういった意味でも現代のリアルな生活の場にメイドを持ってきたヨクサルの発想は見事だ。流行が大衆の心理と密接に関わっているということを(本能的にか)理解しているに違いない。要するに現代人が求めている物は「癒し」で、それがこの漫画では「メイド」に当たるのである。恐らくはエマスターの坂本ジュリエッタで垣間見せた「戦い⇔癒し」の構図を、新たな形で表現したものなのだと思う。
このハチワンダイバー、そして進化し続ける柴田ヨクサルから、これからも目が離せない。