22・23合併号

NARUTO岸本斉史
各人それぞれの能力の特性が程よい加減で発揮されていて、次を期待させる。「昔の敵が仲間に」というのは王道だけど、単純に快感を覚える。それまでにキャラがしっかり描かれていたからこそ、それが出来るのだろう。展開に無理が無いのは素晴らしい。それが作品の持つリアリティというものだろう。
アイシールド21―原作/稲垣理一郎・漫画/村田雄介
アオリ気味の視点とパースの付け方が凄い上手いなぁ。二次元の利点を有効活用している。雰囲気を壊さない程度の小ネタのバランス感覚もいい具合。脱落者を主人公が助けるというのはよくあるが、同時に助けられたサブキャラにもアイデンティティを与えたのは好感が持てる。
DEATH NOTE―原作/大場つぐみ・漫画/小畑健
精神的駆け引きをテニスを用いて描くなんて、信じられない。しかもこのテニスを行うという行為自体にはそれほど重要な要素は無いと思わせておいて、その結果が密かに最後の会話の流れを決める要素になっているのは凄い。論理展開といい、こんなの週刊でやって大丈夫か? ちなみにこの次はテニプリ。狙ってるだろ。
銀魂ー空知英明
展開があまりにもありがち過ぎる。ただ小ネタの面白さはまあ良い感じ。でもそれだけかな。微妙にマッタリした雰囲気とかは結構良いけど。殺すトロベリーは微妙に良かった。どうでもいいか。
無敵鉄姫スピンちゃん大亜門
やべー大型ロボット店だよ。マジに行きたい。それはいいとして、こういうノリの作品でキャラがキャラであることを自覚してるのは、多少無理が利くから見てて安心。まあその分緊張感とか盛り上がりとかは無くなるけどこれはいらないよな。あと個人的にはスピンソーサー投げて欲しかった。ちょっとマズイか、いろいろと。
雨女、晴れ男―原作/長谷川尚代・漫画/藤野耕平
読み切り。純粋一直線主人公とトラウマヒロインのコンビという超王道。読み切りのため、キャラ造型はそれほど深くないが、個性がでしゃばらないでいい感じに。展開もかなりありきたりだけど、程よくあっさりしてて良い。あと、「全員で応援してくんないと走んないよ」ってトコで劇パト2を思い出した。そんだけ。
<総評>
個々の作品のレベルがかなり安定している感がある。その上で突出した作品があるのは雑誌としてかなりの強みではないだろうか。ただ、雑誌独特の臭いのようなものが余り感じられない気もする。まあ、安定感を出すとそういったものが削られてしまうのはある程度仕方の無いことなのかもしれないし、そういったものが無くても良いくらいの質は持っていると言える。が、「武装錬金」がかなり時間の問題っぽいのは問題だろ。なんとかしてくれ。 (ザンギュラ)