22・23号

 サンデーは保守マンガと思われているけど実際どうなのよ。長期連載が多くて敷居が高いのはわかるんだが。そこらへんのことを考慮しつつレヴューしてみたいと思います。長期連載のいくつかはコミックスを追っているんだけど、なるべくそこらへんは客観的にみてみようとおもう。

道志郎でござる
といいつつ新連載なんだが。アメリカ育ちなのに(というよりむしろだから)日本を勘違いした主人公が、実際日本に帰ってきて騒動を起こすというはなし。要は主人公が現代の日本とあまりに違った日本像を持っているというのが話の中心なのだが、いかんせんその現代の日本像が古すぎてちょい不安。つうかこのひと『今日からオレは』から何も変わってないキがする。
名探偵コナン
今のサンデーを敷居高くしている癌その一。だがなんだかんだいってちゃんと読めるものになっている。さすがベテラン、といいたいところだがベテランだから読めるマンガ書けるわけではないのは『ゲドー』とかみればわかるわけで。そんななかちゃんと読めるマンガ書けているのは素直に誉めるべき。今からサンデー買いだしたら一応毎回目を通すことになるんだろうな、と思わせるレベルではある。あと草薙の剣はいやでも『YAIBA』最終回を思い出させます。
MAJOR
既刊49巻ですか。十分な癌候補ですな。新規読者ついていけるのかよ、といいたいところですがこれ新規でもいけるんじゃね。絵は見やすいし、大ゴマの使い方上手いから、絵でちゃんと表現してるから流して読めるし。やっぱ野球マンガは皆ルール知っているから読みやすいね。つうのはかなりの強み。メジャーリーグのシステムがやや説明不足な気もするが致命的欠陥ではない。
犬夜叉
癌その三。じゃあ読めないのかというとまたしてもそうではない。琥珀の設定知ってないと完全には理解できないが、でも普通に楽しんで読める気はする。その理由は少年マンガにありがちな王道バトルマンガから一歩も外にでないプロットと、それを効果的にみせる演出力にある。それになんだかんだ言っても高橋留美子の絵は魅力的です。パラパラめくってても印象に残るもんなあ。ただマンガ上級者、もしくは『めぞん一刻』を知っている人にはやはり物足りないのだけれど。
DAN DOH!!
癌その4。まだ六話目ですが以前のDAN DOHから続いているので長期連載という扱いにしてもいいでしょう。これはコミックス読んでないので一番客観的に読めた気がする。一応話の筋は追えないこともないのだが読んでてやっぱ「オレの知らないいろいろがあるんだろうな」って気にさせられてしまう。だからといってマンガ喫茶にでもいって確かめてみようとは露にも思わないのだが。意外とサンデー長期連載の弱点はそこらへんにある気がしている。
焼きたて!!ジャぱん
癌ではないが気になったので。なるほど『ジャぱん』は最近読みはじめたのだがこれが真骨頂なのですか。つうかいいのコレ?なんのことかわからないひとはぜひコンビニで立ち読みでもして自らの目で確かめてください。よくしらんが初期は毎回こうだったの?今度マンガ喫茶で読んでみよう。絵は見やすいし、内容はマニアックな読者に答えられるものになっているし雑誌を支える中堅としては十分じゃないでしょうか。
モンキーターン
癌その5。ぼくはコミックス全巻持っているので十分楽しめましたが、いきなりコレ読んでもなにがなんだかさっぱりでしょうな。マイナーなジャンルのスポーツをやるのはバクチですな。モンキーターンはコミックスで読むと競艇の知識がなくとも本当に分かりやすく入っていける作りになっているのですが、連載も終盤になった今の時期から読んでおもしろさがわかるとはとてもおもえない。かといって今さらルール説明からはいっても固定ファンにはウザイだけだし。『モンキーターン』は善戦しているほうだとおもうんだが。パッと観目を引く絵柄じゃないし、アンケートは苦戦しているんだろうなあ。
からくりサーカス
癌その六。もう新規では全く入れないんですがこれは仕方ないですね。あんま新規読者にばかり媚びても薄いものしかできないし、ここまで凝ったものを描かれた日にはあとはちゃんと風呂敷折り畳んでくださいとしかいいようがないです。
総評
サンデーはある意味ジャンプと逆で作家を大事にしすぎて才能を潰してしまうところがある。才能つうか雑誌か。でも今回読んでてサンデーを新規で読む気がなくなる気にさせているのは、ベテラン長期連載ではないのではないのかと思った。『コナン』とかいつでも読みはじめられるもの(逆にいえばいつでも読むのをやめれるということだが)。んでそういうマンガが雑誌に貢献してないわけないじゃん。じゃ、何が問題かって考えたとき雑誌を支える中堅マンガがあまりに閉じているからじゃないのかって思った。『いでじゅう』とか『美鳥の日々』とか。あと個々の作品を見ると特に感じないのだけれど全体を通してみるとなあんか皆冒険してないよなって気もする。まあ、マガジンみたくなってほしいとはおもわないけどさ。でも普通に読めるマンガだけじゃ雑誌ちして魅力はないのよ。最後に『モンキーターン』とか『からくりサーカス』みたいのをちゃんと作品が望む形で終わらそうとしているところはサンデーの保守主義のいいところだし、そこらへんジャンプとか学んでほしいと思うわけです。つうか『武装錬金』のことですが。少年誌4誌は編集方針がかなり露骨に違うけれどジャンプは今たまたま上手くいっているだけで、サンデーのやり方は安定感で負けてないようにおもう。これをつまらないというのは片寄ったマンガ読みの意見だとおもう。(丸木戸茶度)