22・23合併号

新連載 チェンジング・ナウUMA
扉絵の作者名の上のアオリ文句「初登場だからレッツ応援!!」はちょっとひどいと思う。やっぱマガジンって愛がないよ。内容は、ジャンプの読み切りマンガのような臭いがプンプンするギャグ。この2話でオヤジと娘はしっかりキャラが立ってるけど、2人以外のキャラをほぼナレーションだけで説明するくらいなら後で話数割いてしっかりやった方がいいと思う。コマ割がマガジン式に染まってないこのマンガが中に混じると雑誌全体で読みやすくなるだろう。これから染められてしまうのだろうが…。
伝説の頭 翔[原作:夏原武 漫画:刃森尊
こいつら、どこで誰に向かって喋ってるんだ…? 場面展開の理解しにくさは、キングクリムゾンの能力初登場時に匹敵する。しかも毎週。そしてやっと理解した話がつまらないという2段重ねの攻撃。ここまでくるともう流石としか。「“ケンカ”“買”います!!」じゃないよ、売ってるよ! 読者に!
餓狼伝BOY[原作:夢枕獏 漫画:板垣恵介
「馬鹿なッッ 有り得ない あの板垣の漫画が‥‥ 2週連続で載ることなどッッ」載ってること自体驚いたが、内容もかなり面白い。ここからどう少年丹波が強くなっていくのかが純粋に楽しみだ。後で触れるが、均質な漫画が並ぶこの雑誌に少なからず波を立てている点も評価できる。
天才料理少年味の助[宗田豪]
「一流のカメラマンは〜」と専門外の解説をする堅気な料理長、グラビア女優の表情が変化したのを見て「よし!」と意気込む健気な見習いの少年…今回ひどいのはキャラの性格と言動の不一致。というか漫画の全ての要素がちぐはぐ。キャラの顔がコマごとに違っている作画の荒れも気になる。そもそもこのグラビア女優が何でここにいるのか意味不明だし。車椅子の老人が審査員召喚プログラムでも流しているのか?
いのちの医師〜ドナー編〜[原作:後藤正治 漫画:所十三
描いているのは特攻の拓の人ですが、「!?」も「ビキッ」もありません。無意味な太字や「“”」がないと、クセがなくスッキリしていて読みやすい絵柄なんだなぁ。幅広い原作に対応できるという点で、この人はすごい。
総評
作家、作品の個性を殺しすぎ。ジャンルとしては一通りのものがバランス良く揃っているにも関わらず、どれか3〜4作読めば全部読んだも同然、もう十分という気になってしまう。結局はどの作品も違いがあまりないのだから。基本的な力のある漫画はそれでも面白いが、ずっとこのままで成長できない。安定感を求めればメリハリやリズムを失うということか。もっとケンカを買え。売れ。翔のことじゃないぞ。(オイシイ香りのコクダイ)