26号

エイケン 松山せいじ
エイケン』と『いちご100%』どっちをましとするかでマンガ読みの傾向が読み取れる気がする。完璧に開き直った『エイケン』と一抹の良心を捏造しつつエロを描く『いちご100%』。はたしてどっちがあざといのか、あざといと感じるのか。僕は『いちご100%』のほうが良心的だと思います。
功夫伝奇アグニ 木村浩人
ザンギュラは否定的でしたが僕は好きですね。チャンピオンバトルマンガはすぐ演出に頼って中身のないバトルの繰り返しになってしまうパターンが多いように感じます。その中特殊能力バトルをうまく組み込み今のところ破綻のない『アグニ』は非常に好感がもてます。もちろんこれから既存のバトルマンガとの差異の付け方に苦労すると思いますし、それの成否で改めて評価すべきでしょう。ちなみに演出、中身ともに充実してたのが初期バキで、演出のみで傑作たりえたのが『覚悟のススメ』でしょうか。
チェリー 小沢利雄
今回の個人的MVP。箸休め的エピソードですが完成度が高かったです。都会から田舎にかえってなんとなく(この『なんとなく』というのが秀逸)いいコを演じようとする女の子と、そのいいコ演技にだまされ自分に気があるのかと勘違いする主人公。二つの軸を行き来しつつ自然かつ魅力的にみせる演出は正直に素晴らしいと感じました。非童貞になった瞬間童貞マインドを忘れる男は個人的に信用できませんね、とか言ってみる。
アクメツ 田畑由秋 余湖裕輝
前回のヒキは本当にヒキのためのヒキにすぎませんでした。最近初期の爆発力がなくなっているのはたしかです。でも初期のノリを引きずっても結局マンネリだったと思います。それに実際に『アクメツ』がいたら非常に優秀な問題提起になっていると思う。だからアクメツにひきずられて本音をいいまくる群集はリアルだと思うし、ほんと皆普段言えない本音を溜め込んでいるんだなあ、と微笑ましく思う。でもそのおかげでマンガがつまらなくなったと言われたら反論は難しいですが。
アイアンジョーカーズ ほそのゆうじ 有賀ヒトシ
連載6回目にしてようやく設定の説明が終わり、魅力的な悪役が出てきた。さて次回からがこのマンガの試金石だと思います。ここで演出の力押しでマンガをみせようとすると凡百のチャンピオンマンガで終わってしまう。ここで繊細さを見せてほしいです。
フェイスガード虜 おおひなたごう
いやあチャンピオンの何が敷居高いってギャグマンガがようわからんってことだと思うんですよ。おおひなたってどちらかといえば変化球だとおもうんですが、チャンピオンの中では笑えるほうと思うンです。今さらおおひなたを語ることなんてないんですがチャンピオンのなかでおおひなたが一番わかりやすいって正直どうよ。
総評
ええっと三週に渡ってチャンピオンを購読してきたわけですが、なんか雑誌の迷走期なのかなあってのが正直な感想です。個人的にコレは!ット思った作品が掲載順が後ろのほうだったり、こういう方向で打ち出していこうってのが誌面から感じられません。まあ迷走期のほうが雑誌の真価を見やすいとは思いますが。もっとチャンピオンらしいマンガというものを読みたいなあって感じるのは『バキ』が載っていないせいとだけは思わないんですよ。(丸木戸)