30号

やっと洗濯したぜー。部屋干しトップ買ったけど外干し。

道士郎でござる 〔西森博之
なんか最近、ヤンキーのかっこよさみたいなものが分かってきました。ヤンキーのかっこよさって結局「超エゴイスト」なところなんですよ。目的のためなら手段を選ばない、時には人を傷つけても貫くというその姿勢。まぁ、いろいろ問題はあるわけですが。今回はそんな悪役ヤンキー芝山クンの登場。道士郎に2度もブッ飛ばされながらもまだリベンジを狙うそのしつこさは、賞賛に値します。西森先生は前作「今日から俺は」という比較対象があるので、批判されやすい作家のひとりなんですが、僕は「道士郎」もおもしろいと思います。何だかんだ言っても。読みやすさと、ヤンキー成分で少年の健全な育成を図るという点においてサンデー内での役割をしっかり果たしています。まだ絶賛はしないけどね。
美鳥の日々 〔井上和郎
連載開始当初からずーっと焦らされ続けた、綾瀬がついに告白!!これでクライマックスっぽさが俄然高まってまいりました。セイジが美鳥を大事に思えば思うほど、その愛の不可能性が明確になってきてしまうという、なかなか優れたラブコメディー。綾瀬の告白を断ったセイジにはもう迷いは感じられないわけですが、それが尚更、今後訪れるであろう美鳥との別れを感じさせます。凡百ラブコメには無い切なさがありますね。あと今「切なさ」が「刹那さ」と変換されて、なんかハッとしました。
DANDOH!!ネクストジェネレイション〜 〔原作 坂田信弘 作画 万乗大智
ルチオのたくらみをハッキングで暴こうとするラミアに追手が。1億円もする解読ソフト!バイクで逃走!窓から飛び降り!なんかハリウッド映画な様相を呈してきたけど、ゴルフの大会だけでは得られない緊張感が出てます。逆に言えば、ゴルフの大会だけで盛り上げることができないということなんだけど。ゴルフのおもしろさをもっと前面に押し出してもいいと思った。
焼きたて!!ジャぱん 〔橋口たかし
パンタジアがライバル店のサンピエールに乗っ取られる。ところが、パンタジアの新社長は霧崎(ゴツいゲンドウ)の陰謀で雪乃ではなく月乃に。「小学館集英社のオーナーは同じ」なんてそんなトリビアも。意外と認知されていない事実だと思うけどね。今回気になったというか、気付いたのは松代と霧崎が超似てるってこと。この二人、絶対何かあります。
かってに改蔵 〔久米田康治
とらうま町の歴史が部長の口から明らかになる。それにしても、地面一枚隔てて沼があるなんて、かなり無茶のある設定だなー。改蔵の「決して作者が無計画だったわけではないんですね」というセリフが哀しい。今回は「なかったことにして」がテーマ。「なかったことにして」といえば、郷ひろみですね。出るかと思ったけど、出てきませんでした。そして、この停滞した漫画についに新展開が。天才塾と敵対する「秀才塾」が登場。新しいメガネッ漢も出したりして、しっかり女性読者も意識してるんじゃないでしょーか。「結局実社会で使えるのは、天才より秀才なのだ!!」わかる、わかるよー。
からくりサーカス 〔藤田和日郎
出たー!ピエロ出たー!「15秒さしあげます」なんていわれても、どうやって退場したらいいんだ!そしてピエロの予告どおり、メッチャ恐ろしい展開になりそうでワクワクしますね!ストーリーの要所要所に登場して、読者の心を捉えて離さないその演出方法、藤田先生の専売特許でしょうか。次号から最終章機械仕掛の神」に突入。やっと最終章かー、なんかもう「サンデーのジョジョ」と言っても過言ではないような気さえします。
総論
読んでもらえば分かるとおり、今回はなぜか心底おもしろいと思える作品がありませんでした。っていうか新展開の一歩前みたいな作品多すぎ。もっと雑誌としてバランス考えて欲しかった。こういう号に当たるとやりにくくて仕方ないです。(やけっぱちの肉彦)