私はいかにしてよしながを摂取するようになったか?

チャっす!ぱそみだよ!それにしたってみんな見事に好き勝手なこと書いてますねえ。統一感のないことといったら…。んでは私もそれにならってよしながふみの話でもしましょうかね。


ファーストインパクトは中学3年のころでしたかねえ。当時私はボーイズラブにはまっていました。友達と一緒に同人誌イベントに初めて行ったのは中2のとき。まさにドリンクバー世代っていうかエヴァ世代と言えましょう。(ちなみに私の出身地山形ではエヴァはリアルタイムでやっておらず、テレ東で放送終了後、深夜に何話ずつかまとめて再放送していたというしょぼさっぷり。エヴァの後番組『少女革命ウテナ』や『彼氏彼女の事情』は日曜日の早朝5時からやっていたのだ!なめんな!)ウテナにはまってフィルムブックまで持ってたことはNA・I・SYOだぜ(恥)


世の中には男の子どうしが好きあう『やおい』というまんがのジャンルがあることを知識として知ってはいた。しかしそのようなジャンルの作品は、田舎に一軒しかない本屋の漫画コーナーにおいて、非常にひっそりとしたところにアンニュイに置いてあるため、よほど目を凝らさないと視界には入ってこなかった。それに手を出すには強力なきっかけが必要だ。それが私の場合、地方の小さなイベント、『おでかけライブ』だったのだ。そこのノブオ!笑うな!


おでかけライブとはスタジオYOUが主催する地方のちっさなイベントだ。それこそスペース数300なんてのが中心で、かつオンリーイベなんかじゃないからはっきり言って、しょぼいです。それでも結構楽しみにしてたんだぜ。当時からパロ同人誌にはあまり興味が持てなかったし、地方イベントでは創作系が極端に少ないので、必然的に本屋で売っているやおいなんかに興味を持ちはじめます。吟味した結果、花音(はなおと)というボーイズ雑誌を買うことに。エロとボーイズラブのバランスが当時の私にちょうどよかったのだ。(ついでに言っとくと、エロありがやおい、エロなしがボーイズラブ、という純然たる線引きが自分の中である。ピアスという雑誌を買ってみたところ、エロだらけで性に合わなかった。)漫画雑誌のくせに780円位するそれをしばしば買っていたが、2・3号くらいでやめました。どーやら男同士の絡みにそんなにキョーミが持てないみたいです。小説JUNEも2・3号でやめたかな?高校に入るとやおいのやの字にも関わらなかったので、やおい卒業は自分でも意外なくらい早かった。


そんな浅いボーイズ歴で一番の収穫がよしながでした。最初に買ったコミクスは『ソルフェージュ』。今でも好きだね。まごうかたなきYA・O・Iなのだが、そんなことは気にならない作品だ。よしながの描く絵で一番好きなのが『手』だ。一見角ばっていて、リアルで上手な手ではない。しかしその手は非常に雄弁だ。必死だし、誘惑するし、とても愛おしげだ。そんな様子がよく伝わってくる。魅力的な絵は、どこか独特の歪みがあってどうしてもまねができない場合があるそうだが、よしながもかなり独特なんではないだろうか。


ストーリーテングの妙は言う及ばず、というかコマ割りやテンポに独特の特徴がみられることはよく言われている。「みひらき最後のコマでの緊張と次のページの最初のコマでの弛緩」のパターンはよしながまんがではよく使われる。それはある種の裏切りなんだが、読者は毎回、それと忘れてつい引き込まれてしまう。それが気持ちイイんだよねー。それと『西洋骨董洋菓子店』でのギャグ顔の多用なんかも裏切りのひとつかな。


あと特徴的なのが、食べ物描写の細かさ。初期作品の『ソルフェージュ』でも、単なる朝ごはんシーンで、おかずにわざわざ注釈をつけているこだわりよう。いまエロティクスでやってる連載はズバリ『愛がなくとも食ってゆけます』だもんなー。早く単行本化キボーン!


そして現在連載中の作品は、GUMI最新号・上半期漫画ランキングで堂々ランクインした『フラワー・オブ・ライフ』と、メロディーで不定期連載している『大奥』、前述の『愛がなくても…』だと思うのですが、(もれてるのあったらごめんね。)どの作品も遜色なく、今まさに油がのりきっている作家です。単行本がそんなにちょくちょく出るわけではないので、掲載誌チェックを欠かさず、おとなしく待つことにします。それにしても前半は『私のオタク史』みたくなっちゃったなぁ…(いつだってぱそみ)