中井一輝と俺。

やっほーノブオだよ?なんだかみんなスゴイまともだし長いね。俺は何書いていいかわからんよ。しかも遅れてるし。ってことで、今日は中井一輝のお話をテキトーに。
中井一輝を知ってる人は少ない。というのも中井一輝は、ドラゴンクエスト4コマ漫画劇場の一作家で、その活動期間は恐ろしく短いからだ。にも拘らず、中井一輝は俺のドラクエ4コマ史を語る上で外せない、トップに君臨する作家である。
ドラクエ4コマのネタは(作家によりけりだが)総じてヌルい。おそらくネタを作る上で「ドラクエの世界観を壊してはいけない」という縛りが発生するからだろう。過度なブラックは御法度だし、シュールもきつい。その縛りを遵守した上で数々の名作を生み出してきた牧野の才能も素晴らしかった。だが俺を引きつけて止まないのは、「その縛りを少し越えてしまった」作家である。柴田しかり、衛藤しかり、(ドラクエ4コマではないが)吉田戦車もまたそうであった。そして、中井一輝である。
中井の漫画を一言で言うと「異質」である。村上から入り、牧野で笑い、池野で脱力した後に、中井というミステリーゾーンに突入する。そこに足を踏み入れた読者は少しうろたえる。鳥山の世界観をぶっ壊した(っていうか「下手な」でいい)絵にうろたえる。「来てはいけない所に来てしまった」とうろたえる。飛ばしてタイジャン・ホクトへ行く読者もいそうだ。ちょうど中間に中井を置くことにより、その異質性を薄めようとするのだ。ネタについて。ネタもまた絵以上に「異質」である。普通4コマというと起→承→転→結が基本だ。中井は4コマを4コマとは考えず「1〜3コマと4コマ」の2コマと意識しているのかも知れない。すなわち話自体は3コマで落とし(微オチだが)、4コマ目では、それまでで上げてきたテンションをどん底へ突き落とす「混沌オチ」を持ってくるのだ(実際に読んで欲しいので、具体的に言及するのは避ける)。起→転→結→混沌。中井はこの呼吸を強く意識している。また別の方法論として、「最初から混沌としている」ネタもある。これは混沌→混沌→混沌→混沌なのでオチはとしては弱い(出オチだし)。だが、中井の持つ混沌としたドラクエの世界観は、多くの子供たちにトラウマを植え付けたはずだ。
シュールにもブラックにもサブカルにも属さない(「基本+混沌」としか言えん)中井漫画に俺は目が離せなかった。上手いまとめ方がわからんので終わり。

(円盤皇女ノブオ)