ゲッターロボ號

 ええと、すんません。ネタがないんで普通にレビューします。
 さてゲッターロボといえば永井先生が完成させたことで有名。その昔ゲッターマシンがどうしても合体できない。物理的に無理、と石川先生が悩んでいたら「こんなのここにこう付けてこっから手だせばいいじゃん」「え、でもそれじゃつじつまが」「マンガはもっと自由な発想で描かなきゃ面白くなんないよ」というわけでゲッターロボ完成。どうもそれ以降石川先生はつじつまとかあんま考えない豪快な作家になったそうな。そのためゲッター作品はかならず原作永井豪ってついているわけなんですなあ。
 そして同じく「ごう」の名がつけられたこの「ゲッターロボ號」。石川先生の気合いがみえます。
 ストーリーはゲッタードラゴンの登場者神 隼人が新たにゲッターマシンを開発。登場者を探していたところ、號という人間に興味を示し候補者にする、というところからから始まる。その號という男は100メートル走で10秒を切り、棒高飛びで15メートルを超える男。リアルロボットものだと才能さえあれば体力なくともいいので、うじうじした連中が主人公になりがちだがゲッターは体力がなければ操縦すらできない。よってこの號みたいな豪快なキャラが暴れまくる話しになるんですなあ。うん、すがすがしい。
 石川県先生は序盤すごく期待できるんだけど終盤になるとどうも展開が単調になりがち。だが今回ちょうどいいところで真ゲッターが登場し、物語も俄然もりあがる。神隼人が真ゲッターで號のところに登場するところなんかは石川県にしかできない迫力に満ちている。この深く考えないけどここでかつてのゲッターひっぱりだしたら面白そう、というだけで話し進められるのはこの人だけなんだろうなあ。実際最終巻のあとがきマンガで「なんで早乙女研究所は壊れたんですかねえ」という質問に対して「考えてなかった」と普通に答えているのには驚いた。しかもゲッタードラゴンどこいったの?にいたっては「痛いとこつくなあ」と答える始末。
 誰もが気になっているところですからあ!!!残念!!!打ち切り切り!
 そっからが石川の凄いところ。そのつじつま合せでつくったはずのプロットが意外とおもしろい、つうか読みたい。読ませて。
 そしてクライマックスへとなだれ込むのだがそっからはもう石川節炸裂。話しは全然理解できないんだけど士郎正宗のマンガみたく「俺のあたまが悪いのかなあ」とかいっさい考えなくて読めるのが石川マンガのいいところ。多分作者もわかってない。
 まあかなり人を選ぶマンガですがあんま考えずに豪快なマンガを読みたい気分の時は最上のマンガです。つうか他にこれできる人いません。
(ありがとうコクダイ 丸木戸茶度)