キミキス -various heroines-/東雲太郎

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こんにちは。緊張感高まる北東アジア唯一のブログ、MJノブオです。Iannis Xenakis「Synaphai」を聴きながら今回紹介したいのは、東雲太郎キミキス」です。エロティクスからヤングアニマルへ、取り合わせ最悪のミックスですが、待望の二巻が本日発売されアニメ放送も間近、ということで。

最早説明は不要でしょうが、この作品はエンターブレインから発売された「キミキス」というキスで人を殺していくゲームのコミカライズです。ギャルゲーのコミカライズと言えばそれはもう星の数ほどあって、人によっては「この手のはもうお腹いっぱい」ということもあるかもしれません。しかしこの東雲版「キミキス」は、それらの作品とは一線を画す、革命的とも言えるコミカライズであると思います。今日はそのことについて少し。

多くのギャルゲー(とりわけ、シナリオがキャラの数だけ用意されているスタンダードなもの)コミカライズのストーリー展開を超大雑把に説明すると、「主人公がいて、なんだかよくわからないうちにキャラが増えていき、なんだかよくわからないのにメインヒロインと結ばれていた」というものや、結ばれる以前に「なんだかよく分からないうちにラストは全員集合して『○○学園は、今日も元気です・・・!』とかいうモノローグで終わっていた」など、まるでバッドエンドを漫画化したようなものが多いです(もちろん例外はあるでしょうが)。結果としてゲームをプレイしてない読者には、軸の定まってない、はっきりしない印象を受けます。それもそのはず、メインヒロイン以外でもプレイ時間にして六時間以上のストーリーがあるわけで、それを一話程度に落とし込むのは無理があり、ともすれば破綻します。この「キャラが多くて消化しきれない現象」がそういったギャルゲ漫画における大きな問題点ではないでしょうか。

そこで出てくるのが東雲版キミキス。この作品が前述の数多あるギャルゲー漫画と違い、そして革新的なのは、「リセット」があることです。要はプレイヤーが一人目攻略→リセット→二人目攻略→リセット→三人目攻略とゲームをコンプリートしていくかの如く、漫画でも一ヒロインのエピソードを最初から最後まで忠実に描き、それが終わったらリセット、すなわち話を振り出しに戻し、次の話から別のヒロインのエピソードを最初から筋道立てて描いていく構成となっているのです。これによってキャラクター一人一人のシナリオやイベントを破綻なくじっくり楽しむことができるのです。「何故今まで誰もやらなかったのか」と思うくらい単純な手法ですが、前に述べた問題を突破したという点で、大いに評価したいです。

あと「エロい」という点でも大いに評価したいのですが、これは、まあ次回。

余談ですが、二巻の商品紹介リンクを貼らなかったのは、こと二巻に関してはここよりも特典が付く虎の穴で買うのをオススメしたいからです。特典といってもただのネーム集ですが、アウトテイクされた擬音(キスした時の「れちゅ」とか)が残っていたり、その筋の人はたまらんでしょう。そして更に言うと虎の穴では氏のエロ同人誌も委託販売されており(総集編で読み応えもありオススメ)、気に入ったらこちらもついでに読んでみるといいでしょう。更に更にお腹が空いたら虎の穴名菓「虎焼」を食べればいいのでしょう(ウマい。オススメ)。今や虎の穴で買えないものはない。虎の穴は恋の地区予選を突破した。